ランニングの故障やケガ
ランニングが習慣になり、走る距離や時間が増えると、更にランニングが楽しくなり、一層練習して走ってしまう傾向にあります。特にこの頃になると「ランナーズハイ」(*1)も経験でき、ランニング中毒やランニング依存症に近い状態になりますが、同時に故障やケガも発生しやすくなります。
*1:ランナーズハイ
長時間走っていると、突然、それまでの疲労感がなくなり、陶酔感や高揚感を感じる現象です。ランニングを始めてから、30分~1時間くらい走れるようになった頃にしか現れず、走力がさらについてくるとこの現象は次第に消えていきます。
走っている時の苦しさより、故障・ケガで走れないことの苦しさのほうが何十倍も辛く苦しく感じるのもこの頃です。ランニングによる故障・怪我は、殆どが、何の支障もなく歩けますが、走ると痛みを感じるのが特徴です。
この記事では、故障・ケガをしてしまった時の対処方法や、故障・ケガをなるべくしない方法などを紹介します。
故障・ケガをしてしまったら-1
痛くて走れないほどの故障・ケガでは、当然。走ってはいけません。というか、痛くて走れません。
走ると「違和感」を感じる~ちょっと痛みが出る程度なら、ゆっくり目のジョギングで様子を見ることが必要だと思います。整骨院や整形外科の専門家でも「軽い痛みなら走ってもOK」派と「軽い痛みでも走ってはダメ」派に別れます。
どちらを選択するかは、結局は個人の判断です。私は「軽い痛みなら、走りながら治す」派なので、短めのスロージョグになりますが走ります。
ただし、「肉離れ」の場合は、絶対安静!です。筋肉が部分的・局所的に破れる裂ける「筋断裂」なので、何日かランニングを休んで痛みが軽くなっても走ってはいけません。必ずぶり返します。サポーター着けて筋肉を完全固定し、なるべく力を入れないよう安静にすることです。痛みが完全になくなってからも3日間、50歳以上の方なら1週間は、肉離れの場合は完全休養が必要です。
故障・ケガをしてしまったら-2
ランニングを1日休む毎に、足の筋肉が痩せ細っていき、心肺機能も低下する恐怖感に襲われ、いっそのことランニングをやめようかとも感じると、既に一人前の「ランニング依存症」です。こんな時に救われるのが「仲間の存在」です。ランニングクラブなどで知り合った仲間に、ケガの症状や走れない辛さを話すと、必ず良いアドバイスを貰えたります。
また、走れない代わりに、縄跳びや自転車(ママチャリなどの方が効果的です!)、筋トレ、ウォーキングをする方法もあります。特に縄跳びは、10分もやれば汗が出て、脈拍も上がるので、30分やれば走れないストレスを発散できます。
故障・ケガの具体的な原因や対処方法は、その内容により異なるので、ネット上のさまざまな情報を調べることで事前防止策など関連知識も身につきます。
転倒に依るケガ
突発的に発生する転倒によりケガをして走れなくなるケースも多いですね。スリ傷くらいはまだ序の口で、ひどい場合は骨折もします。腕の骨折ならギブスをして固定しますが、肋骨(あばら骨)のヒビや骨折は、ギブスができないので、コルセットを巻いて骨を固定すると痛みが和らぎ、2週間ほどで痛みが消えます。それでも走れるようになるには1か月はかかるでしょう。
転倒する時は、とっさの判断で手を前に出し身体を防御しますが、加齢と共に手が前に出てこなくなり、当然、胸や顔から先に地面に衝突し、大ケガをします。普段から「転んだら手を前に出す!」気持ちを忘れないようにしたいですね。
シューズに依る故障・ケガ
靴ズレや爪が黒くなるなど、すぐに症状ができるケガ(そもそも、靴ズレや黒爪はケガのうちに入らない!という意見もありますが)なら、対策も比較的簡単ですが、外反母趾はとても厄介なケガです。
もともと人間の足は左右同じ大きさではないのに、シューズは左右同一サイズしか購入できないのが本質的な原因だと思うのですが、同じシューズばかり履いて走っていると、大きい方の足の親指がシューズの先端部に押され、結果的に親指の付け根が外側にはみ出る症状がでてきます。しかも、この症状は数年かけて徐々に進行するので、ついつい見過ごしがちです。
シューズの片方だけ、親指が当たったり先端部が擦り切れたり、穴が空いてきたら、すぐに1サイズ大きいシューズを履くようにしてください。この頃は親指の付け根が「やや」外側に出ている程度ですが、数年で確実に「外反母趾」になります。
外反母趾になっても特に痛みはありませんが、親指に力が入らず、当然「蹴り出す」力が弱くなり、左右の足の蹴り出しやフォームがズレてきます。
故障・ケガをしないために
走る前の入念なストレッチが必要であることは当然ですが、ランニングシューズを履いてしまうと、足指先のストレッチができなくなるので、毎晩、入浴前の10分間ストレッチが効果的です。地味な対策ですが、故障・ケガをしない体作りとしては必須トレーニングです。
ホームセンターで直径4~5cm・長さ50cm程度の木材を買ってきて、足指先からふくらはぎ、ハムストリング、大腿四頭筋、腸腰筋、腰周り、腕周り、首周りと下から上(逆方向も可)に伸ばしていくことで、筋肉や腱が固くなるのを防止でき、結果的に未然に故障・ケガを防ぐことができます。
痛いくらいにストレッチをしないと意味がないので、器具などを使って毎日ストレッチをしてください。
![]() |
![]() |
ランニングをしていると、必ず故障やケガをします。1週間で治るケガもあれば、3か月かかる故障、1年かかる故障などさまざまです。1箇所の故障をする度に、サポーターやコルセットが増えていくでしょう。極端な例では、整形外科に通院して痛み止めの薬を飲みながらもランニングをする強者(ツワモノ)もいます。
大切なことは、故障しないようにストレッチや筋トレを毎日10分することです。とにかく爽快な気分でNiceRun!ナイスラン!!